北川昭雲堂 永楽妙全祥瑞写馬上盃

永楽妙全 祥瑞写馬上盃


永楽妙全 祥瑞写馬上盃


箱書

 永楽妙全は千家十職の焼物師。明治末、永楽家の十四代得全亡き後、十五代正全に代を繋ぐために活躍した得全の令室で、共箱に悠の印を朱で捺しているのがわかりやすい特色。女性ならではの繊細さや柔らかさを作品に感じると評されることが多い作家です。


睨みあう龍と蜂

 発色の良い呉須で描かれた龍と蜂が睨み合うこの盃は、胴紐を回し、腰に捻を加えた手の込んだ祥瑞写の作品です。雲を掻き分けて現れる龍に蜂が対峙する図の出典は判然としておりませんが、蜂と龍は酒にまつわる故事があるようです。見込みには大きな寿の字、口辺にぐるりと瓔珞紋と詩が書かれています。


蜂日能美遠禮佐須波、龍日佐志遠禮能無波


 漢詩のようですが、恐らく万葉仮名で「蜂にのみをれさすは龍、龍にさしをれのむは蜂」と、呑みつ呑まれつ刺しつ刺されつ、盃をぐるぐる取り回すように詩が巡っているものと思われます。

 腰の捻には福寿に宝珠、宝尽に鶴亀松竹梅とおめでたい物で埋め尽くされており、祝いの席でもお使いいただけるようになっております。

 高台内には應需大日本永楽造十五之内と丁寧に認められ、どなたかからの注文品であることがわかります。


 昭和7年より大阪にて茶道具商として商売いたしております。
 阪急の創始者 故小林一三翁からもご贔屓にしていただき、無庵の庵号を頂戴しました。
 また、皆様に御愛願頂きましたおかげさまで、阪急百貨店うめだ本店にお店を構えさせて頂き、令和元年をもって50年を数えることとなりました。

 当店では千家十職の作品を主に紹介しております。店内では、常に樂歴代の味わい深い茶碗や華やかな仁清写茶碗を、季節の掛軸と共に展示。百貨店内での美術鑑賞をゆっくりと楽しんで頂けるよう心がけております。
 是非、お気軽にお立ち寄りください。


ご案内

住所

大阪市北区角田町8番7号
阪急うめだ本店7階  
古美術ギャラリー  内

TEL.FAX 06-6313-7617
E-Mail         



▲戻る